「偽装ラブホ根絶!」のはずが…改正風営法は抜け道だらけ? 産経新聞 2011/01/10 13:22
■開店後に改装…時代遅れのラブホ定義
全国にある偽装ラブホ数は、正規のラブホ数に匹敵する。警察庁によると、平成20年末時点で風営法上の届け出があったラブホが約3800軒だったのに対し、偽装ラブホは同年4月時点で約3600軒に上った。
偽装ラブホがはびこる最大の理由は、「経営効率」だ。
捜査関係者は「普通のホテルは1泊という形で客を取るが、ラブホテル形態は休憩など短時間で出ていくコースもあり、客の回転率が良く、もうけになる」と分析する。
また、旅館業法の規制しか受けず警察が強制立ち入りしにくいことや、風営法で規制されているパチンコ店などと違って18歳未満でも利用できるため、客層が広がることも要因となっている。
いわば偽装ラブホは、警察が介入してくる心配が少なく、18歳未満も入室可能な“無法地帯”なのだ。
では、なぜ正規のラブホとほぼ同じように利用されているにもかかわらず、風営法の規制を受けないのだろうか。
「ビジネスホテルとして旅館業法の許可を得て開業した後、内部を改装して営業している」
そう話すのは、裁判所の命令で職務代行者として東京都内のラブホ経営にかかわった経験を持つ藤本尚道弁護士(52)だ。
従来の風営法によるラブホの定義は、次のようになる。
構造上は「食堂、ロビーがない、または一定の基準より狭い」。設備面では、アダルトグッズ自販機▽ガラス張りのバスルーム▽回転ベッド▽全身が映る巨大な鏡-などを一つでも備えていること。
「なくす会」の馬場敦子代表(33)は「構造と設備のどちらの要件も満たせばラブホだが、どちらか一方の要件を満たさなければ偽装営業できた」と説明する。
大阪市と兵庫県の偽装ラブホは堂々とアダルトグッズ自販機を置いていたが、規定値以上の食堂を設置するなどして要件を満たさず、ビジネスホテルとして開店していた。
「回転ベッドに代表されるように設備などの定義が古く、ラブホの実態とかけ離れていた」(馬場代表)ため、“法令上の抜け道”が存在したのだ。